【該当製品】MORISAWA PASSPORT、MORISAWA PASSPORT ONE、MORISAWA PASSPORTアカデミック版、 MORISAWA PASSPORTアカデミック版(認定校版)、MORISAWA PASSPORT for iPad、Select Pack1 / 3 / 5
【該当OS】macOS / Windows
【澄月について】
澄月の特徴
澄月は当社独自の文字セットであるミニ2セットをサポートしますが、それ以外にも約800の連綿体や代替字形を用意しており、アプリケーション上の機能によって、連綿体(合字)などの文脈を考慮したデザインに自動で置き換わります。
文脈を考慮した字形
(1)連綿体(合字)
澄月は、特定の品詞において、手書きの続け字から着想を得た縦書き用の連綿体を用意しています。この連綿体は合字機能(複数の文字を合成して1文字に置換する機能)を活用し、自動で置き換わります。
(2)前後関係に依存して変化するかな
澄月では、1つのかなに対して、文脈によって自動で置き換わる複数のデザインを用意しています。
a.運筆考慮:直後に入力される文字との繋がり(文脈)を考慮した字形
b.連続回避:同じかなが連続して入力された場合に発動する字形
c.文末専用字形:改行や句点の前で発動する字形
(3)横組専用のかな
澄月は、手書き文字のかたちを考慮し、一部のかなに横組用のデザインを搭載しています。アプリケーション上のテキスト選択で横組を選択すると、自動で置き換わります。
フルプロポーショナルフォント
澄月は、全ての文字に固有の幅を持たせた、フルプロポーショナルフォントになっています。
変体仮名
澄月は、Unicodeに登録されている変体仮名286文字を収録しています。
呼び出し方法は、次の項目「澄月の使い方」にてご確認いただけます。
【澄月の使い方】
ベタ組の際の文字アキ
澄月はプロポーショナルフォントであり、すべての文字に最適な幅が与えられているため、アプリケーション側での約物のアキの調整を必要としない書体になっています。
文字幅の取得方法や処理方法は、各アプリケーションによって異なりますが、約物などのアキ量をフォントの文字幅より取得・処理を行うアプリケーション以外では、フォントの文字幅を考慮しないアキ量で組版される場合があります。
そのため、澄月をご利用の際は、下記の設定を推奨しています。
Adobe InDesignの場合
①「文字前のアキ量」アキなし / 「文字後のアキ量」アキなし
②「文字組み」なし
Adobe Illustratorの場合
①「アキを挿入(右/上)」アキなし / 「アキを挿入(左/下)」アキなし
②「文字組み」なし
ペアカーニングの設定
澄月は、ペアカーニングを搭載しています。
「メトリクス」を有効にすることで値が適応されます。
変体仮名の呼び出し方法
澄月は自動で変体仮名に置き換わる設定ではありません。
「スタイルセット」から呼び出す場合(a)、字形パレットから呼び出す場合(b)、
テキストを選択して呼び出す場合(c)のいずれかの操作をしていただきますと、
変体仮名を呼び出してご利用いただくことができます。
a. 「スタイルセット」から呼び出す場合
Adobe InDesign の場合、文字パネルの「OpenType機能」に含まれる「スタイルセット」から「変体仮名」を、Adobe Illustrator の場合は「OpenType パネル」に含まれる「スタイルセット」から「変体仮名」を選択します。
b. 字形パレットから呼び出す場合
テキストの1文字を選択し、字形パレットを表示させて異体字一覧から変体仮名を選択します。
c. テキストを選択して呼び出す場合
テキストの1文字を選択すると対応する変体仮名が選択できます。他の変体仮名を選択したい場合は、元の仮名に戻してから再度選択してください。
※ご注意※
澄月は、縦用グリフと横用グリフを用意しています。b.またはc.の方法で字形を選択する場合は、グリフの選択内容にご注意ください。
文字のバリエーションを任意の字形に変更する場合
澄月では、連綿体等の文字のバリエーションが「自動」で置き換わるようになっています。(変体仮名を除く)
ただし、一度自動設定を解除(OpenType機能の「前後関係に依存する字形」の選択を解除 )することで、②Adobe InDesignおよびAdobe Illustratorをサポートする「スタイルセット(※)」から任意の字形を呼び出すことが可能です。
※澄月のスタイルセット詳細
・セット1:変体仮名
・セット2:基本的な連綿体(合字)
・セット3:行末用の連綿体(合字)
・セット4:その他の連綿体(合字)
・セット5:同字形の連続入力用の異体字(単体)
・セット6:前後関係に依存して変化する異体字(単体)
・セット7:行末用の異体字(単体)
上記の各セットのデザインの詳細は、本ページの末尾に掲載している「澄月_文字のバリエーション」でご確認いただけます。
①一度自動設定を解除(OpenType機能の「前後関係に依存する字形」の選択を解除 )する
②Adobe InDesignおよびAdobe Illustratorをサポートする「スタイルセット」から選択する
■「異体字」について
本来「異体字」は、標準的な文字に対して字体の異なる文字のことを指します。
一方、本書体においては、Opentype属性の各種機能により代替字形の挙動を管理しているため、 Adobe InDesignおよび Adobe Illustrator のマニュアルの表現に合わせ、 変体仮名や前後関係に依存する別デザインのかなについても「異体字」と表現しています。
上記のデザインのセットでご利用いただける澄月の文字のバリエーションの詳細を、下記リンクよりダウンロードいただけます。
【Illustratorで発生する現象について】
Illustratorで横組をした際、キャレットが長くなる現象を確認しています。
これは、Abobe Illustratorの仕様によるもので、高さのある縦組の連綿合字が影響しています。
改行すると設定通りの行送りになりますので文字組みに影響はございません。
なお、Abobe InDesignではこの現象は確認しておりません。