写研フォントは、株式会社写研の写真植字機専用書体をOpenTypeフォント化したものです。
コンセプトや特徴の違いから、二種類の開発アプローチをとりました。
それぞれのフォントを「改刻フォント」「写研クラシックス」として区別します。

改刻フォント

オリジナルの写研書体のデザインを参考にしつつ、現代の環境や用途に適した書体として新しくデザインすることで、成熟度を高めたフォントです。

改刻フォントの主な仕様

• フォントメニュー名は、“A P-SK”から始まる
• 最新のIVSに対応
• プロポーショナルメトリクスとペアカーニングに対応

オリジナルと比較した改刻フォントの特徴

・ファミリーとしてのデザインの統一
オリジナルの書体に見られた手書き由来の骨格のデザインの揺れをファミリー内で統一しました。

左：オリジナル書体（4ウエイト）を重ねた図
右：改刻フォント・A P-SK 石井明朝 StdN（L,R,M,B）を重ねた図

・エレメントの整理
オリジナルの書体に見られた手書き由来のエレメント（一書体に共通した各部のデザイン）の形状の揺れを、整理・統一しました。

・骨格のブラッシュアップ
オリジナルの骨格らしさを残しつつ、バランスを考慮した調整を行いました。

・字形の見直し
Adobe-Japan1仕様に合わせて、字形の見直しを行いました。

・欧文のリデザイン
より自然で読みやすいデザインを目指し、欧文を新規にデザインしました。

改刻フォント一覧

写研クラシックス

写研クラシックスとは、 オリジナルの写研書体に忠実なデザインで、写研書体全盛期の雰囲気を今に伝えるフォントです。

写研クラシックスの主な仕様

• フォントメニュー名は、“A-SK”から始まる
• 最新のIVSに対応
• 一部記号が全書体共通デザイン（※1）
• 一部の書体でプロポーショナルメトリクスを搭載（※2）

※1　共通デザインの記号グリフ一覧は添付ファイルをご確認ください。

※2　A-SK 今宋 Min2・A-SK 鈴江戸 Min2・A-SK いまりゅう Min2の3書体

横組プロポーショナルメトリクスを有効にした場合の仕様

オリジナルと比較した写研クラシックスの特徴

・アウトラインの高品位化
一部の書体のアウトラインがオリジナルよりも滑らかになっています。

・仕様に合わせた字形の整理
OpenTypeフォントとしての仕様の整理に留め、オリジナルに忠実に仕上げました。

写研クラシックス一覧

関連note：新書体なのに懐かしい！2024年リリース予定 写研フォントのご紹介